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2022/11/28   
2021/05/21

 楽しく学ぶ…微分積分
定積分2/ダルブーによる定積分 
(definite integral by darboux)
 --目 次--
リーマン積分の復習
ダルブーによるリーマン積分
 ・ ダルブーの定理
 ・「不足和の極限=不足和の上限」の証明
 ・不足和と過剰和の極限は定積分に収束
 ・ダルブーの積分可能性

 前回の定積分では一般的なリーマン積分の説明でした。
ある関数の定義する区間の分割を細かくしてできる長方形(短冊状)の面積の総和は、分割数n を限りな大きくすると関数がつくる面積の値に収束し、これが定積分でした。
今回はリーマン積分をさらに進めたダルブーの方法で説明しますが、積分の理論的な側面が多い内容です。
大雑把にいえば「不足和が下から単調増加する上限」と「過剰和が上から単調減少する下限」が一致し、定積分を与える。
まずは復習から進めます。ここをパスする方は【ここをクリック】

復 習
1.定積分の定義   (リーマン積分)

定積分
    【fig1 リーマン積分】 
 関数\(f(x)\)が 閉区間[a,b]で有界 (f(x)が有限な値である)で連続とする。
閉区間[a,b]について次の小区間を考える:
\(Δ :\ (a=)x_0<x_1<x_2<…x_i<\) \(…x_{n-1}<x_n(=b)\)
の関係において、 \(Δ_i=x_i-x_{i-1}\) のような区間に分ける。

・\(Δ\)を閉区間[a,b]の\(Δ\)分割という。(分割\(Δ\)ともいう)
・\(C_i\) は小区間 \(Δ_i\) の代表点 という。
 \(C_i\) は小区間内で任意です。(中心でなくてよい)
・\(x_i\) を分点という。
\(|Δ|\) は小区間 \(Δ_i\) の中で最大のもの。
 (下の定義のなかで使います)
ここで\(f(x)\) とx軸と区間a とb で囲まれた面積 \(S_r(\Delta)\) を考える。

小区分 \(Δ_i=x_i-x_{i-1}\)の面積は\(ΔS_i=f(c_i)Δ_i\) です。

\(S_i\)の総和は\(S_r(\Delta)\):
\(S_r(\Delta)\)\(=\displaystyle \sum_{i=1}^n ΔS_i\)\(=\displaystyle \sum_{i=1}^n f(c_i)Δ_i\) \(=\displaystyle \sum_{i=1}^n f(c_i) (x_i-x_{i-1})\)
これを リーマン和 といいます。

このリーマン和により定積分を次のように定義します。
【定積分の定義】(リーマン和による)
関数\(f(x)\) が閉区間 [a, b ] において有界で連続とします。
\(S_r(\Delta)\)\(=\displaystyle \sum_{i=1}^n f(c_i)Δ_i\) \(=\displaystyle \sum_{i=1}^n f(c_i) (x_i-x_{i-1})\)

は分割の\(n\) を大きく、 \(|Δ| \rightarrow 0\) の極限において、代表点\(c_i\) のとり方によらず
\( S=\displaystyle \lim_{ |Δ| \to 0 } \displaystyle \sum_{i=1}^n f(c_i) (x_i-x_{i-1})\)

( \( =\displaystyle \lim_{ |Δ| \to 0 } R( \Delta) \) と簡易表記することもある。)
が成立、すなわち 上式がある値\(S\) に収束するとき積分可能であり:
\(S=\int_a^b f(x) dx\)\(=\displaystyle \lim_{ |Δ| \to 0 } \displaystyle \sum_{i=1}^n f(c_i) (x_i-x_{i-1})\) :➀

をリーマン積分といい、これを閉区間\([a,b]\) の定積分として定義している。
この定積分は\(f(x)\) とx軸と区間a とb で囲まれた面積 \(S\) を示します。

  2.ダルブーによるリーマン積分  
 ダルブー積分では以下に説明する不足和(下ダルブー和)、過剰和(上ダルブー和)を使いリーマン積分を定義している。
 有界な関数 f(x) の閉区間[a,b] において \(Δ\)分割の各小区間\(Δ_i\) には下限\(m_i\) と上限\(M_i\) が存在する。
 ☞注:有界な関数には下限と上限が存在する。
\(\Delta \)分割の小区間を次のように二通りに分ける。
・各小区間\(\Delta_i\)を 下限\(m_i\) だけの短冊を集めた図形:fig2、これを不足和\(s(\Delta)\)という。
・各小区間\(\Delta_i\)を 上限\(M_i\) だけの短冊を集めた図形:fug3、これを過剰和 \(S(\Delta)\) という。

上記を数式で書くと:
下限\(m_i (inf)\), 上限\(M_i (sup)\)とは:

・\( \b{m_i}=\)\(inf \{f(x)\ |\ x_{i-1}≤x≤x_{i}\}\) :➁
・\(\b{M_i}=\)\(sup \{f(x)\ |\ x_{i-1}≤x≤x_{i}\}\) :③

不足和 \(s(\Delta)\) と過剰和 \(S(\Delta)\)とは:

・\(\b{s(\Delta)}\)\(=\displaystyle \sum_{i=1}^{n} m_i (x_{i}-x_{i-1})\)\(=\displaystyle \sum_{i=1}^{n} m_i \Delta_i\):④
・\(\b{S(\Delta)}\)\(=\displaystyle \sum_{i=1}^{n} M_i (x_{i}-x_{i-1})\)\(=\displaystyle \sum_{i=1}^{n} M_i \Delta_i\):⑤

以下の2つ図から \( s(\Delta)≤ S(\Delta)\) の関係は明らかである。

定積分
  【fig2 下足和 \(s(\Delta)\)】  
定積分
  【fig3 過剰和 \(S(\Delta)\)】 
 

また不足和と過剰和と上記の定義によるリーマン和との関係から以下の式が成り立つ:
\(\quad \underline{s(\Delta)≤S_r(\Delta)≤S(\Delta)}\)

もし \( \displaystyle \lim_{ |\Delta| \to 0 } s(Δ)= \displaystyle \lim_{ \Delta \to 0 } S(Δ)\) なら   はさみうちの原理より
\( \displaystyle \lim_{ |\Delta| \to 0 } s(Δ)\)\(= \displaystyle \lim_{ |\Delta| \to 0 } S_r(Δ)\)\(=\displaystyle \lim_{\Delta \to 0 } S(Δ)\) となる。


ここで\(\Delta\)分割の分点をさらに増やしていく。(さらなる細分化)

分点を増やすと、\(s(\Delta)\) と \(S(\Delta)\) は互いに近づく。
\(\Delta\) はいくらでも細かくなるので、どこかで\(s(\Delta)=S(\Delta) \) となるのではと推測する。
それを確認するのが、ここでの目的です。
分割\(\Delta\): \(\ (a=)x_0<x_1<x_2<…x_i<\) \(…x_{n-1}<x_n(=b)\)
に対し分点を1つ増やした分割を\(\Delta'\)分割と表す。

\(\Delta\)\(:\cdots, x_i,\ x_{i+1}\ ,\cdots\) に対し
\(\Delta'\)\(:\cdots, x'_i,\ \color{red}{x'_*}\ ,x'_{i+1},\cdots\) となる。

さらなる細分は \(\Delta''\)、\(\cdots\) \(\Delta^{'n}\) \(\cdots\) となる。
その状況が下図です。(分かり易いように分点を増やしいる)
fig4では 青色は分割\(\Delta_j\)の不足和(短冊)、赤色はさらなる細分化した不足和である。
 青色の面積\(\lt\)赤色の面積 の大小関係
定積分
  【fig4 \(\Delta’\)の不足和】 
定積分
  【fig5 \(\Delta’\)の過剰和】  
上図は 青線領域の\(\Delta\)分割 赤線領域の\(\Delta'\)分割 の面積の大小関係を示す。
(図ではΔ分割より分点が複数個あるが、分点1個でも多ければ大小関係は同じ)
\(\Delta\)分割とその細分の\(\Delta'\)分割について:

不足和は細分化後の面積は増加:\( s(\Delta)≤s(\Delta')\)
過剰和は細分化後の面積は減少:\( S(\Delta)≥S(\Delta')\)

これからの証明流れは:
Δ分割の細分により、\(s(\Delta) は下から単調増加し上限に収束、また \ S(\Delta)\) は上から単調減少していき下限に収束、その収束値が一致すると推定できる。 
この一致がリーマン積分ではないかと考えられる。

さらに \(\Delta',\Delta''\cdots \Delta^{'n} \) と細分を増やしていくと、次の不等式ができる。
\( s(\Delta)≤s(\Delta')≤s(\Delta'')\)\(\cdots S(\Delta'')≤S(\Delta')≤S(\Delta)\)

このように細分化していくと:
•不足和\( s(\Delta) \) の細分化は単調増加、上に有界であるから 上限 \(sup\ s(\Delta)\) がある。
•過剰和\( S(\Delta) \) の細分化は単調減少、下に有界であるから 下限 \(inf\ S(\Delta)\) がある。
•\( sup\ s(\Delta)\le inf\ S(\Delta)\) の関係である。

\( sup\ s(\Delta)=\color{red}{s_u}\) \(,\ \) \(inf\ S(\Delta)=\color{red}{S_ℓ}\) とおく。
ここでダルブーの定理が登場します。
  ダルブーの定理  
有界閉区間[a,b]の有界な関数において任意の分割Δに対して次が成り立つ。

\(\displaystyle \lim_{ |\Delta| \to 0 } s(Δ)\)\(=sup\ s(\Delta)=s_u \):❶
\(\displaystyle \lim_{ |\Delta| \to 0 } S(Δ)\)\(=inf\ S(\Delta)=S_ℓ\):❶'

❶不足和の極限=不足和の上限   ❶'過剰和和の極限=過剰和の上限

不足和の極限=不足和の上限:の証明  (上式❶について)
(過剰和については同様として❶'の証明は省略します)
どんなに小さなε に対しても(このε は 「ε-δ論法」のε のこと)
\(s_u-s(Δ)\lt ε \) が成り立つことを証明すればよい。

任意の分割Δ に対し、下式❷が成立するような分割\(\color{red}{Δ_k}\) を考える。(fig7 を参照)

・\(s(Δ_k)\)は分割\(Δ_k\)による不足和
・\(ε'=\frac{ε}{2}\)とする。

\(\quad s_u-ε' \lt \color{red}{s(Δ_k)} \le s_u\) :❷
変形して
\(\quad s_u-s(Δ_k) \lt ε'\) \(:❷_1\)

また、分割\(Δ\)と分割\(Δ_k\)の分点を合併してできるのを分割\(Δ'_k\)とする。
このような分割の状態を fig6 に示す。

定積分
【fig6 分割のイメージ】 
定積分
【fig7 不足和上限\(s_u\)の近辺】
図を見ての通り次の大小関係は明らか。

\(s(Δ) \le s(Δ'_k)\) :❸ \(\quad\) \(s(Δ_k) \le s(Δ'_k)\) :❹

同一区間\(Δ_i\)での\(s(Δ'_k)\)と\(s(Δ)\)の差(\(\delta s\))
定積分
 【fig8 不足和上限\(s_u\)の周辺】  
分割\(Δ\)の細区分\(Δ_i\)に\(Δ_k\) の分点が1つ入る分割\(Δ'_k\)を考える。(それが上図)
区間\(Δ_i\)は細区分\(Δ'_{i1}\)\(Δ'_{i2}\)に2分されるので、それぞれの下足和の差= 図の緑の面積\(\delta s\) とすると:

\(\delta s=(m_{i1} Δ'_{i1} + m_{i2} Δ'_{i2})\)\(-m_i(Δ'_{i1}+Δ'_{i2})\)
\(=(m_{i1}-m_i)Δ'_{i1} + (m_{i2}-m_i)Δ'_{i2}\)\(\le (M-m)Δ_i \)\(\le (M-m)Δ\)
\(\therefore \delta s \le (M-m)Δ \)

\(\delta s\)は区分\(Δ'\)での不足和\(s(Δ'_k)\)と\(s(Δ)\)との差だから、次の大小関係がある。
・M と m は定義域[a,b]の上限、下限である
・分割\(Δ'_k\)の分点の数をP とする。

\(\quad s(Δ'_k)-(s(Δ) \le p(M-m)\Delta\)
\(\Delta\)はいくらっでも小さくできるので\(ε'\)と抑えれられる。(p(M-m)は定数)
\(\quad \therefore s(Δ'_k)-s(Δ) \lt ε'\ \) :❺

以上からダルブーの定理を証明すると:
\(❷_1,❸,❹,❺\) から次式をえる。
\(\quad s_u-s(Δ_k) \le ε'\)\(\ :❷_1\)

\(\quad 0\ge s(Δ'_k)-s(Δ_k)\)\(\ :❸,❹\)

\(\quad s(Δ'_k)-s(Δ)\le ε'\)\(\ :❺\)
以上から\(|s(Δ)-s_u|\lt ε \) が導かれる。
以下は \(|s(Δ)-s_u|\) の絶対値外して:

\(|s(Δ)-s_u|\)\(=s_u-s(Δ)=[s_u-\cancel{s(Δ_k)}]\)\(-[\cancel{s(Δ'_k)}-\cancel{s(Δ_k)}]\)\(+[\cancel{s(Δ'_k)}-s(Δ)]\) \(\le (ε'-0+ε')=2ε'=ε\)
(\(s(Δ)\)は\(s_u\)に収束する)
\(\therefore s(Δ)=s_u\)

\(\quad \displaystyle \lim_{ |\Delta| \to 0} s(\Delta)=sup\ s(\Delta)=s_u \) \(:❶\) \(\quad\) が導出できた。
過剰和に関しても同様に、以下のが成り立つ
\(\quad \displaystyle \lim_{ |\Delta| \to 0 } S(Δ)=inf\ S(Δ)=S_ℓ\) \(:❶' \) が導出できる。
ダルブーの定理(式❶と❶')の証明終わり

不足和と過剰和の極限は定積分Sに収束
積分可能なら【参照先】

\( \displaystyle \lim_{ |\Delta| \to 0 } s(Δ)= \int_a^b f(x) dx \) \(:❻\)
\( \displaystyle \lim_{ |\Delta| \to 0 } S(Δ)= \int_a^b f(x) dx \) \(:❼\)
❻、❼から
\( \displaystyle \lim_{ |\Delta| \to 0 } s(Δ)=\displaystyle \lim_{ |\Delta| \to 0 } S(Δ)\)\(:❽\)

が成り立つ。

【証明】(式❻について)
 この証明は「リーマン和のΔ分割の代表点」、「不足和のΔ分割の上限」、「過剰和のΔ分割の下限」の違いがあるが、|Δ|➝0 での3つ極限の収束値は同じなると推定できる。
リーマン和の|Δ|➝0 の極限は定積分S であったから上式が成り立つのは当然のようだが、確認しましょう。

証明は下式が成り立つことである。
式❻の極限が成り立つために、どんなに小さな ε があっても次式が成り立つ。
\( |s(Δ)-\int_a^b f(x) dx|\gt ε\) \( \Rightarrow\) \(\underline{\int_a^b f(x) dx-s(Δ)\lt ε} \)
左の式(ε-δ論法の表示)の絶対値を外して変形したのが右の式になる。

\(ε\)で抑えられれば、\(s(Δ)\)が\(\int_a^b f(x)\)に収束する。
\(m_i\)は小区間\(Δ_i\)の下限(式➁を参照)、また \(c_i\) は小区間内で任意であるから、Δ分割の小区間で次式が成り立つ。
\(f(c_i)-m_i \lt \frac{ε'}{b-a}\)  となる\(c_i\)が存在する。

これを全区間[a,b]の面積に拡張すると:

\(\displaystyle \sum_{i=1}^n f(c_i)Δ_i\)\(-\displaystyle \sum_{i=1}^{n} m_i \Delta_i \) \(\lt \displaystyle \sum_{i=1}^n \frac{ε'}{b-a}(x_i-x_{i-1})\)
\(S_r(\Delta)-s(\Delta)\)\(\lt \frac{ε'}{b-a} \displaystyle \sum_{i=1}^n (x_i-x_{i-1})\) \(=\frac{ε'}{b-a} (b-a)=ε'\) 
右辺の∑の各項はキャンセルされ、残る項はb\(=x_n\)とa\(=x_0\)となる。
\(S_r(\Delta)-s(\Delta)\)\(\lt ε'\)  

またリーマン積分の定義より
\(\int_a^b f(x)-S_r(\Delta)\lt ε'\)

以上から

\(\underline{\int_a^b f(x) dx-s(Δ)}\)\(\le [\cancel{S_r(\Delta)}-s(\Delta)]\)\(+[\int_a^b f(x)-\cancel{S_r(\Delta)}]\) \(\lt ε'+ε'=2 ε'=\underline{\ ε\ }\)
\(\therefore \displaystyle \lim_{ |\Delta| \to 0 } s(Δ)= \int_a^b f(x) dx \)
(不足和の極限は定積分S に収束する。)(式❻の成立) 

上記と同様にして

\(\displaystyle \lim_{ |\Delta| \to 0 } S(Δ)= \int_a^b f(x) dx \)
(過剰和の極限は定積分S に収束する。)(式❼の成立)
式❻、❼の成立をもって下式が得られる。
\(\therefore \displaystyle \lim_{ |\Delta| \to 0 } s(Δ)=\displaystyle \lim_{ |\Delta| \to 0 } S(Δ)\) :❽

これまでの証明の結果をまとめと:
\( \begin{array}{c|c|c|c} \hline ダルブーの定理 & 式❻、❼ & ダルブーの定理 \\ \hline \displaystyle \lim_{|\Delta| \to 0 } s(Δ)=&\int_a^b f(x) dx &=\displaystyle \lim_{|\Delta| \to 0 } S(Δ) \\ \Updownarrow & & \Updownarrow \\ sup\ s(Δ)=s_u& & inf\ S(Δ)=S_l \\ \hline \end{array} \)

以上から次式が得られる
・\(\displaystyle \lim_{|\Delta| \to 0 } s(Δ) = \displaystyle \lim_{|\Delta| \to 0 } s(Δ)\)\(=\int_a^b f(x) dx\)
・\(sup\ s(Δ)=inf\ S(Δ)\)

ダルブーの冒頭で述べた(参照先)ことも証明できた、つまり:

\( \displaystyle \lim_{ |\Delta| \to 0 } s(Δ)= \displaystyle \lim_{ \Delta \to 0 } S(Δ)\) なら
\( \displaystyle \lim_{ |\Delta| \to 0 } s(Δ)= \displaystyle \lim_{ |\Delta| \to 0 } S_r(Δ)=\displaystyle \lim_{\Delta \to 0 } S(Δ)\)
となる。

  ダルブーの積分可能性
不足和と過剰和の極限に対して 次のように下積分、上積分を定義する。

\(\displaystyle \lim_{ |\Delta| \to 0 } s(\Delta)\) \(=\underline{\int_a^b} f(x) dx\) を下積分
\(\displaystyle \lim_{ |\Delta| \to 0 } S(\Delta)\) \(=\overline{\int_a^b} f(x) dx\) を上積分

ここで

\(\displaystyle \lim_{ |\Delta| \to 0 } s(Δ)=sup\ s(\Delta)\) \(\ , \) \(\displaystyle \lim_{ |\Delta| \to 0 } S(Δ)= inf\ S(\Delta)\)
 ( \(sup\ s(Δ)=s_u\)\(\ , \) \(inf\ S(Δ)=S_l\) )

であるから
\(sup\ s(Δ)=inf\ S(Δ)\)、すなわち \(\underline{\int_a^b} f(x) dx\) \(=\overline{\int_a^b} f(x) dx\) のとき
「ダルブーの積分可能」または「ダルブーの意味での積分可能」といっている。

「不足和の上限と過剰和の下限が一致」または「不足和の極限と過剰和の極限が一致」することをもって可積分であるということです。
最後に結論的なことをいうと:

リーマン積分を呼び起こすと:
\(S=\displaystyle \lim_{ |Δ| \to 0 } \displaystyle \sum_{i=1}^n f(c_i) (x_i-x_{i-1})\)であり、

\(\underline{s_u=S_l}\) であるとき
\( S=\underline{\int_a^b} f(x) dx\)\(=\overline{\int_a^b} f(x) dx\)\(=\displaystyle \int_a^b f(x) dx\)
これより、\(s_u=S_l\) は関数\(f(x)\) の積分可能の必要十分条件となります。

以上、長々の説明でした。

coffe

[コーヒーブレイク/閑話]…お疲れ様でした。

リーマンとダルブーのどちらが先輩かな?
ベルンハルト・リーマン/ F. B. Riemann:
1826-1866,ドイツの数学者 ベルリン大学

ジャン・ガストン・ダルブー/ Jean Gaston Darboux:
1842-1917,フランスの数学者
ソルボンヌ大学 教授

リーマンが先輩でした。